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インドホテル事情

 

 

  インドのホテルは、ローカルの旅人やバックパッカーの泊まる1泊1部屋数百円の安宿から、1泊1部屋10万円を超えるスーパーデラックスホテルまで、様々なスタイルがあります。インドのホテルは多種多様、富める者も貧しい者、様々なスタイルのお客様を迎えています。  

 

 

  インドホテルの種類

 

 エコノミークラス

 (安宿)

地元の旅人やバックパッカーに利用されるホテルで、地方都市から大都市まで存在し、駅の近くに集まる傾向がります。エアコンがあるかないかで値段が変わります。最近はこのクラスのホテルでも質的に向上しており、なかにはWi-Fiの設備があるところもあります。  
   スタンダードクラス 星数が3スター・4スターのホテルが該当します。古いホテルで昔の基準で5スターの認定を受けたセミデラックスのホテル、最近続々と開業しているモダンなビジネスホテルもこのカテゴリーになります。このクラスのホテルには、だいたいエアコン・テレビ・Wi-Fi・給湯システムなどの完備がされています。ホテルの規模にもよりますが、最低一か所以上のレストランがあり、ホテルでのお食事も衛生的で、安心してお召し上がりいただけます。  
   デラックスクラス

星数が5スターのホテルが該当し、快適にご滞在いただけるホテルです。このクラスのホテルは、以前は大都市・有名観光地にのみしか存在しませんでしたが、最近は地方都市でも次々開業しています。ビュッフェ(バイキンギ)とアラカルトを提供するレストラン、インド料理を・中華料理・その他のスタイルの料理を提供するレストランなど複数のレストランがあるのが一般的です。
最近の新しいホテルの傾向として、デラックスクラスのホテルでもバスタブなし、シャワーのみのホテルが増えています。古いホテルでもリノベーデョン(改装)の際バスタブを撤去してしまうケースがよくあります。

 
   スパーデラックス 大都市やアグラ、ジャイプール、ウダイプール、ゴアなど限られた観光地にあります。とにかく贅を尽くした建築とサービスが準備されおり、1泊1部屋10万円を越えるホテルもありますが、それに叶った値打ちはあります。このクラスのホテルは主にオベロイグループ、タージグループ等により運営されています。  
   ヘリテージホテル 昔のマハラジャや貴族の邸宅・宮殿・離宮を宿泊施設に改装したホテルです。ウダイプールのレークパレス、ジャイプールのランバーグパレスとジャイマハールパレス、ジョドプールのウメイドバワンパレス等が知られています。これらスパーデラックスクラスのホテル以外にも、ラジャスタン州・グジャラート州・マディアプラデシュ州などには数えられない程の無名のヘリテージホテルがあります。中にはかなり設備の悪いホテルもありますが、多くのホテルはマハラジャや諸侯達が繁栄を謳歌した、古き良き時代の世界にいざないます。  


  インドの主要ホテルチェーン

 

タージグループ

 インド最大の高級ホテルチェーンで、11か国98のホテルを運営します。その原点となったのがムンバイ・タージマハール・パレス(タージ旧館)です。インドの富豪ムシェードジー・タタがある時、外国人とムンバイのワトソンズホテルで会食をしようとしたところ、このホテルが外人専用であったため入館を断られました。タタ氏はこの一件後、インドの玄関であるムンバイに世界に開かれた最高級ホテル建設を開始し、1903年開業させたのがムンバイ・タージマハール・パレスです。ムンバイ・タージはシンガポールのラッフルズホテルと並び“アジアの星”と称賛されます。
 タージ・グループのホテルは3つのブランドに分類されます。最高級に位置づけられるのは、TAJ Hotels Resort & Palaceで、大都市やリゾート地に所在します。第2ブランドがVIVANTA by TAJで高級なクオリティーを保ちつつカジュワルな要素をもちます。第3のブランドが IHCL セレクションで主に観光地に立地します。

 

 

 

オベロイグループ
 

 ヒマラヤの貧しい山村の出身で、シムラのセシルホテルの丁稚奉公からホテル業の修行を積み、世界のホテル王と呼ばれるまで昇りつめたのが、ライモハンシン・オベロイです。彼は1932年インドがまだイギリスの植民地時代だった時に、デリーにオベロイメイデンズ、シムラにオベロイクラークスを開業しました。以降オベロイは海外6か国合計32のホテルを有する、世界でもトップレベルの高品質なサービスが提供できるホテルチェーンとなりました。
 オベロイ・グループのホテルは3つのブランドに分類されます。最高級に位置づけられるのは、ビラスシリーズで、アグラ・ジャイプール・ウダイプールなど4か所があります。その次がオベロイブランド、第3のブランドがトライデントで、カジュアルな要素を取り入れつつも、オベロイの気品の光るホテルのラインナップです。

 

 

 

ITCグループ 

 

タージ、オベロイと並ぶインドの大型ホテルチェーンがITCグループです。ITCグループは4つのブランドで運営されています。
ITCホテルズ(14都市)
大都市・有名観光地にあるITCグループの最高級ブランドです。その多くはかつてシェラトンの名称を冠していました。新しいホテルは、モダンな建築が特徴的なホテルが多くあります。
ウエルカムホテルズ(15都市)
第2ブランド的ホテルグループです。大都市ではITCブランドを少し質素にしたイメージ、地方都市・地方観光都市ではその都市でトップクラスのホテルである事が多いです。
ウエルカムヘリテージ(32都市)
ラジャスタン・ヒマチャール・グジャラート州のどで、歴史的建造物をホテルに改装したヘリテージホテルを運営します。
フォーチュン(42都市)

ITCホテルが運営する中価格帯のホテルです。インド国中各地にあり、いずれも新しいホテルなので清潔です。シャワーのみの設備になりますが、値段の割に設備が整っています。

 

 

 

 ラリット 

1988年創業のインドの高級ホテルチェーンです。デリー・ムンバイ・バンガロール、コルカタ・ジャイプール・カジュラホなど、日本人に馴染むみの深い都市に、デラックスホテルのネットワークを展開していています。日本マーケットに友好的なレートが出る事が多く、良質なサービスをリーズナブルな価格で受ける事ができる場合が多いです。  
 

レモンツリー 

2004年に開業した中価格帯のホテルチェーンです。2020年現在48都市80のホテルを運営しています。一部在来のホテルを改称したところがありますが、ほとんどのホテルは新規オープンなので、設備は新しく清潔です。料金重視のツアーにお勧めです。レッドフォックスはレモンツリーの第2ブランドで、レモンツリーより設備は質素で料金も安く設定されています。    
 

 サロバー

1994年に開業した中価格帯のホテルチェーンです。2020年現在55都市85のホテルを運営しています。サロバー・グループは大都市・地方都市・主要観光地の他、バトリナート・ティルパティーなどヒンドゥー教聖地にもプロパレィーがあります。いずれのホテルも設備は新しく清潔です。ホームテルはサロバーの第2ブランドで、設備は質素で料金も安く設定されています。  

 

 

ラディソン

ハイアット

ヒルトン

マリオット

ラマダ

メリディアン

インドには、ラディソン・ハイアット・ヒルトン・マリオット・ラマダ・メリディアン等、欧米系ホテルチェーンの名称が多くあります。その多くはホテルチェーンの直営ではなく、インドのデベロッパーが、ロイヤリティーを払いホテル名称を使っています。ホテルサービスは各チェーンの基準で提供されるので、安心してご利用いただけます。ただ契約等の関係で、ヒルトンがラディソンに変わるなど、名称変更がよくあるので注意が必要です。また、新しいホテルほどシャワーのみでバスタブなしのホテルが多くなっています。